02.27
Mon
 羽生くんは自他共に認める負けず嫌いである。今回の四大陸ではその負けず嫌いっぷりが炸裂していたと云えよう。あの鬼リカバリも「最低でもこのくらいやらなきゃ負けてしまう!」ということだったと思うし(実際負けたけど)、「金がほしい金が!金くれ!」と露骨におっしゃってたし。
 羽生くんが「負けず嫌い」であることを知ったのは、ニース世界選手権で墜ちた直後に購入して読んだ『蒼い炎』でであったと思う。私は自分が負けず嫌いなところがないもので、自分を「負けず嫌い」という人がいるんだ、ということがなんだかとても新鮮であった。しかし私ががっつりとアスリートのファンになったのが羽生くんが初めてだから、アスリートの性格とはどういうものかなんてそれまで考えたこともなかったのだが、トップアスリートはまず例外なく「負けず嫌い」なようである。考えてみれば、負けず嫌いくらいでないと、アスリートとして、能力を伸ばして大成できないよなあ、と思う。負けたくないから、負けると悔しいから、勝つために努力する。それが能力の向上や維持につながるのだろう。
 それにしても、自分がそういうところがないだけに、負けず嫌いの人はなんでそんなに負けず嫌いなんだろう、というのが今でも不思議でしょうがない。私の場合、運動神経に見放されているため、スポーツでは「勝つ」という可能性がそもそもないし、それ以外の分野でも「勝ちたい、負けたくない」と思うようなことってあんまりなかった気がする。たとえば子どもの頃や学生時代、カードゲームやボードゲームなどを楽しんだりしたし、そういったときでももちろん勝てれば嬉しいが、負けたら悔しくてしょうがないとかいうほどの執着心はなかった。その他いろんなことでも、どちらかというと、勝ち負けでものごとを見るのはあまり好きな方ではなかったりする。
 でも考えてみれば、動物というのはそもそも「他個体に対して優位に立つ」ことを本能的に求めるはずのものだった。生きてゆくのに、あるいは繁殖するのによりよい条件をつかむには、他個体より優位であればあるほど有利なわけなのだから。つまりまあ、負けず嫌いさんというのは動物としての本能に忠実な人?
 しかし人間くらい複雑な社会性を持つ動物になると、いつもいつもむき出しの負けず嫌いより、他個体との協力的な関係を選んだ方が有利な状況も多々あるわけで、それで人は負けず嫌いの程度や、そのあらわし方の範囲をいろいろ調節するようになってきて、それが個性になったりもしているんだろう。
 で、人が「負けず嫌い」な人という場合、大まかに二種類あるような気がしている。
 一つめは「他人より優位に立つ」ことだけが主眼にあるタイプ。おそらくこのタイプの負けず嫌いは、自信の欠如やコンプレックスの裏返しのことが多く、他人より優位に立っている自分を感じることで自分の存在確認をせずにはいられないような感じ。この場合、自分より優れていると感じられる他者に対してはねたんだりしがちだし、下手すると手段を選ばずに足を引っ張るという方向に行ったりするので、本人にとっても周囲にとってもあまり精神衛生的に好ましくない場合が多いかと。
 もう一つは「向上心が旺盛で、自分の実力を確認する機会としての勝負事にこだわる」ことに主眼があるタイプ。「勝つ」ことは他者を蹴落とすためではなく、自分の実力が伸びた、自分の実力が十分に発揮できた、それを証明するためのこととして捉える。この場合、自分より優れている他者はおそらくねたみの対象ではなく「いつか勝つ」という憧れや目標という感じになるのだと思う。
 おそらく、羽生くん含め、多くのトップアスリートの場合の「負けず嫌い」は後者だろうと思う。仮に前者の要素があるとしても、それを見せないだけのプライドもあってこそおそらく一流のアスリートになれるのだと思う。
 私は自分が負けず嫌いでないこともあって「負けず嫌いで勝負事にギラギラしてる感じとか、なんでも勝負事に持ち込もうとする感じとか苦手かも」という意識が正直あるのだが、羽生くんの負けず嫌いにはなぜか清々しさを感じる。それは多分、羽生くんが勝つための手段がきっちりとフィギュアスケートというスポーツのルールに則ったところにあって、また、勝つことはあくまで自分が純粋に実力を発揮できた結果として求めるということであって他者を負かすこと自体が目的ではなく(だから、勝った試合でも自分として納得できない内容の時は「悔しい」という感想になる)、もちろん競争相手をおとしめたりするようなことはなく、敬意を持って勝負に臨んでいるからだと思う。先日の四大陸での鬼リカバリは、云ってみれば、あの試合での他の選手、特にチェンくんに対してのものすごい敬意のあらわれである。また、それに対して四回転の本数を増やしたチェンくんもまた、羽生くんに対してものすごく敬意を表したと云える。だから、羽生くんとしては、悔しかったには違いないが「楽しかった」のだろう。観ているこちらとしてもとびきりの清々しさを感じられた試合だった。

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 宇野くんアジア大会金メダルおめでとう。クリーンな出来ではなかったにせよ、コンボ券の回収ということが四大陸の時よりできたのはよかったと思う。これから世界選手権までのあいだにまた一戦はさむとのことだが大変なスケジュール、くれぐれも身体に気をつけてほしいものである。アジア大会に出た他の皆さんも、特に急遽二週連続出場となった理華ちゃんお疲れさまでした。

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 ところで羽生くんファン界に「かつて羽生くんをお姫さま抱っこしていた中国のアイスダンスの柳選手がそのとき羽生くんからペアを組もうと冗談を云われた、上海の試合で汗で衣装が脱げなくなっていた羽生くんの着替えを手伝った」という情報が流れているようである。羽生くんがカップル競技をするとすればなんだかアイスダンスよりペア競技っぽい気はする。男子ペアという種目があるとして、ガタイのいい男性にリフトされたり、スロージャンプで投げられたり、デススパイラルでくるくる回されたりしている羽生くんというのはなんだか容易に想像できてしまう。しかし羽生くんとペアを組むと「サイドバイサイドで四回転ループ跳びましょう」とか云われかねないからペアを組む相手も大変であろう。
 それにしても、男が男の着替えを手伝っただけなのに、私の脳内イメージはなぜ背徳的な雰囲気になってしまうのだろうか……。

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 アイスリンク仙台より羽生くんからの寄付の報告が。私の買った分の金額も、たとえば送迎バスの塗装の1平方センチ分にでもなっていたら嬉しい。


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02.23
Thu
 今回の四大陸選手権はいろいろなことを思わせられたり考えさせられたりする大会だった。その一つがGOE(出来栄え点)とPCS(構成点)である。そのあたり『チーム・ブライアン 300点伝説』の感想とも重ねつつ書いてみたいと思う。
 今回、全員のプロトコルをつぶさに見たわけではないのだが、ショート、フリー共にGOEでの加点およびPCSが一番高かったのは羽生くんである(と思う)。GOEとPCSを重視すべきということはすでに一冊目の『チーム・ブライアン』でも述べられていたが『チーム・ブライアン 300点伝説』では再びそれが強調されていた。この四大陸の結果を受けて、あらためて、なるほどなあ、と思ったわけである。技術の基礎点では上回っている上に目立ったミスのなかったチェンくんと、ショート、フリー共にはっきりしたミスのあった羽生くんがそれでも互角に戦えたのは、もちろん鬼リカバリもあるけれど、主としてこのGOEとPCSのおかげである。
 実際、羽生くんが昨季出した世界最高点のときは、今の羽生くんのジャンプ構成より難度が低かったわけで、それでもあれだけの高い点数が出たのはGOEとPCSがとても高かったからなのだった。今回の四大陸、他の選手と比較するとGOEもPCSも高い羽生くんだが、昨季の世界最高点の時と比較するとやや低い。
○昨季のGPF(世界最高点)
  ショート GOE 16.56
       PCS 49.14
  フリー  GOE 25.73
       PCS 98.56
○今回の四大陸選手権
  ショート GOE 10.56
       PCS 46.93
  フリー  GOE 19.13
       PCS 94.34
 今回はショート、フリー共にミスがあったため、世界最高点のときと同等のGOE、PCSをとるのはちょっと無理があっただろうが、特にフリーで、ミスのあった要素以外のGOEも世界最高点の時に比べればやや見劣りがする(世界最高点の時はほとんど2と3で0がなかったが今回は1も結構あるしちょっとだが0もある)ので、そのへんのGOEがもうちょっととれていればPCSも少しはあがっただろう、そうすればひょっとしたらミスがありつつもチェンくんに勝てていた可能性もあるなあ、などと僅差だっただけに、贅沢なことを考えてしまうのだった。
 何はともあれ、GOEとPCSをとれるということが今の羽生くんの大きな強みであることは間違いないわけで、オーサーコーチの云う「トータルパッケージの重要性」ということがあらためて証明された形になったと思う。そして羽生くんの云っていた「最低の演技でも通用するようにする」というのは何か失敗があってもGOE、PCSをできるだけ落とさないという形で実現されているのだな、と。

 『チーム・ブライアン 300点伝説』で、結局GOEとPCSっていうのは「いかにスケートがうまいか」の評価なんだな、という、ある意味当然のことをあらためてしっかり確認できたのだった。
 GOEというのは個々の要素の出来栄え点だから、当然その要素についてどのくらい難しいことをどのくらい上手に、きれいにやったか、ということを反映するわけで、それがスケートのうまさと直結していることはわかりやすいと思う。ただ、PCSっていうのはなんとなく「表現力、芸術性を評価するもの」みたいに一般に思われがちな面もあって、私も「スケーティングスキルとかトランジションとかはともかく、他の三項目はいわゆる表現力とか芸術性が影響してくるのかしら」と漠然と疑問に思っていたのである。でも『チーム・ブライアン 300点伝説』を読んで、どの項目も、究極のところは「スケートのうまさ」の評価なんだな、ということがわかった。「表現力」といった場合に連想されがちな、演劇的、あるいはダンス的な感情表現がよくできているかといったことは、PCSには、少なくとも直接的には関与しないのだと思っていいのだと思う。あくまでスケート技術として、身体の上下左右の動きを上手に使っているか、リンクをまんべんなく左右両方向の軌跡を描いて使っているか、そしてそれらの動きが音楽のリズムやテンポ、メロディーや抑揚と合っているか、ということを評価しているのがPCSだということではないだろうか。もちろん演劇的、あるいはダンス的な表現がよくできている演技は見応えがあるし、私も好きだが、それはスケート技術のうまさを活かしたものであってこそPCSに反映されてくるのであって、それ自体がPCSに評価されるのではないのだ。「身体の動きやリンクに描く軌跡が多彩で、なおかつ音楽に合わせてスケートがなされ、結果的に音楽の表現として高度なものになっている」ことこそが評価されるのである。
 そういう意味で、やはり昨季のNHK杯やグランプリファイナルでの羽生くんの演技でGOEやPCSが高かったのは感覚的に納得がゆく。それらの演技を観たあとで私が感じたことは「これが『THEフィギュアスケート』なんだな」ということだった。高い難度の構成(TESの基礎点)を、みごとにこなし(TESのGOE)、そしてすべてにおいて高い技術がバランスよく音楽に合わせて遂行されている(PCS)、これが少なくとも、現在の採点法が求めているフィギュアスケートのイデアに近いものなのだ、と。
 だから『チーム・ブライアン 300点伝説』に「フィギュアスケート界で生きてきた私は2人(注:羽生くんとフェルナンデスくんのこと)のおかげで「これがフィギュアスケートだ」という絵を描き、皆に見せることができるようになりました」という記述があるのが嬉しい。羽生くんの世界最高点の演技を、私にとっても印象深い1984年サラエボ五輪のトービル・ディーン組「ボレロ」に匹敵するものだったと述べてくれているのも嬉しい。
 羽生くんが在籍しているのが「チーム・ブライアン」でよかったなあと思う。正しくGOEとPCSの意味と価値を理解するだけでなく、高いGOEをとれる演技とは、高いPCSをとれる演技とは、ということをむしろ自分たちの側からジャッジにアピールすることさえできるクレヴァーさのあるチームで、本当によかった。

 PCSの性質を踏まえて、羽生くんに、あえてあまり感情価のはっきりしない、いわゆる「難しい」曲で演技してみて欲しいなあ、という願望もある(まあ昨季のバラ1やSEIMEI、今季のHope&Legacyなどは競技用としては十分「難しい」類に入るのだろうけれど)。
 ストーリー性やキャラクター性のある演技、あるいは情感のこもった演技というのももちろん好きだが、そういったものがなくても、羽生くんであれば、音楽とよく合ったスケート技術の感覚的な美しさだけでも十分見せられる演技ができると思うのだ。

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 ところで、先日のエキシのNotte Stellataで3トウループを失敗して羽生くんが悔しがっていたが「試合では高難度構成でしかも鬼リカバリまで見せた人が、エキシの単独3Tを失敗する」というのは「斬鉄剣でこんにゃくは切れない」みたいなことだろうか、と思ってしまった。

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 仙台に荒川さんと羽生くんの記念碑ができて、記念セレモニーでトークショーがあるとのことだが、どう考えてもおそろしい抽選倍率になるのではと思う。私はスケジュール的に苦しいのもあって申し込まないが。全国にテレビ中継してくれないだろうか。


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02.19
Sun
 もちろん「えげつない」は褒め言葉である。
 2位惜しかった!とはもちろん思うし本人はそーうーとーうー悔しいに決まってるけれど、なんだろう、すごくいいもの見せてもらった感が。
 わりとここのところスケジュール的にばたばたしていて余裕がなくて、今日もライストを観ようかどうか迷ったのだが、最終グループだけ観た。で、ライストで羽生くんの演技を観ていて、ライストの状態があまりよくなかったのもあるけれど、何が起こったのかあんまりよくわからなかった。ただ何かえげつないことをやってのけたらしいということだけはわかったけれど。そのあとプロトコルなど確認して、ひえー、と。4S3Tの予定が2S1Loになってしまった後で3A2Tを3A3Tにしたところまではこれまでもあったパターンだしまあそうだろうな、と思ったけれど、3A1Lo3Sのところで4T2T、最後の3Lzを3A、というところであぜんと。しかも後でインタヴューなど読むと本人も練習でもシミュレートしたことのないパターンだというのを知ってもうなんなんだこの子は、と。もちろん、予定構成通りに全部いっていればそれに越したことはないのだろうけれど、ミスがあってもその後にこのえげつないリカバリっぷりを見せられるというのもまた「ザ・羽生結弦」という感じだった。ゾクゾクした。
 ビールマンが入らなかったのは背中だか腰だか痛めているという情報もあるし(だからショートのズサーッも控えめだったのか)、ちょっと心配ではある。あと、羽生くん比で今回のフリーは動きがちょっと乙女感控えめだったかなという気もする。表情も、鬼神モードとまではいかなくても、これまで見せていたたおやかな感じよりはシビアな勝負師モードに近かった気がする。でもそれはそれで、オーサーコーチが大事にしているGOEもPCSもそれなりにとれているしよかったんじゃないかと。で、フリーでは1位とれたし。
 何にしても今回は、勝負師魂とすさまじいリカバリ力が見られてよかった。そしてこの経験が来月の世界選手権に向けて、そしてもちろん五輪に向けて、この上ない糧となるに違いない。
 四大陸はこれで銀メダル三個目。「一番楽しい銀メダルだった」と羽生くんは云ってるようだけれど、こちらも楽しかった。ありがとう。

 羽生くんの猛追をかわしたチェンくんの、フリーでの四回転を4本から5本に増やしたえげつなさも素敵だった。優勝おめでとう。300点クラブへようこそ。
 宇野くん、4Loが試合初挑戦とは思えないハイクオリティで凄いなと思った。3Aがうまくゆかなくてコンボ券も2枚捨てたのは残念だったけれど、またこれから強くなれるはず。3位おめでとう。
 田中くんはジャンプが今回いろいろと残念だったけれど、経験として世界選手権に活かしてくれたらいいなと思う。
 チャン氏もジャンプが今回残念だったけれど、やっぱりスケート自体のうまさに見応えがあるなあと。ジンくんも4LoもうまくゆくようになってGOEやPCSも磨いてきたら脅威になってくる。
 それから、4回転はなくても、ブラウンくんとジーくんの演技はやっぱり好きだ。

 それから昨日の女子。舞依ちゃん初出場初優勝おめでとう!ショートフリーとも堂々のノーミスで素晴らしかった。ジャンプがクリーンで軽やかでいいなあ。新葉ちゃん理華ちゃん今回は厳しい結果になったけれど今後もまたがんばってほしい。そうそう、昨日のフリーは長洲未来ちゃんも素敵だった。

 みなさん本当にお疲れさまでした。さあ、次は世界選手権。出場選手がみないいコンディションで迎えられますように。


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02.17
Fri
 4Loがハイクオリティで決まったのはよかった!4Sが2Sに抜けたのは残念だったけれど。あと羽生くん比で全体的にやや躍動感に欠ける?という気がしたのだけれどステップがレベル3になってる。ズサーッのズサーッ感が控えめだった気がするし。キャメルスピンもレベル3だ。ちょっと全体に硬かったのかな。それでもたとえばスピン中の手の動きなどの表情のつけ方はやっぱりさすがだなと思ったけれど。で、GOE欄を見ると、2S3T以外はしっかり羽生結弦クオリティーをとれてるけれど。
 まあ点数的に上位は射程圏内だと思うのでフリー番長発動期待。

 チェンくん宇野くんそれぞれ4回転二本成功でパーソナルベスト公認試合での初100点突破おめでとう。
 あと個人的にはミーシャ・ジーくんの演技が好きだった。好きな曲だというのもあるけれどやはり表現巧者だ。衣装が何となく羽生くんの前期バラ1っぽい。

 昨日の女子についてもちょっと。全体にクリーンな演技が少なかった中で舞依ちゃんなかなか光ってたと思う。フリーにつながりますように。理華ちゃん新葉ちゃんフリーがんばれ。あと、クリケット組のトゥルシンバエワちゃんの演技が軽快でなかなかいいなと思った。ウィンドミルスピンの角度がすごい。


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02.15
Wed
 『チーム・ブライアン 300点伝説』の感想はもう潔く(?)四大陸選手権後に回して、先にIce Jewels vol.5の感想でも書こうかとか思っているうちに、羽生くんが韓国入りしたニュースが入ってきたりしてうわあもういよいよだとテンパり始めたら、昨日いきなりロッテさんから羽生くんチョコ作りの動画をぶちこまれてすでに息も絶え絶えである。私は無事四大陸までたどり着けるのか。
 「ああ世間ではバレンタインだな」くらいにしかバレンタインを意識してなかったし、そういやこの時期ガーナがらみで毎年何か映像が出てくるな、ということもきれいに忘れていた。そこへもってきて今年はなぜか羽生くんが作る側に回るという意外な展開で眩暈がした。あ、今年は変な赤いセーターじゃなくて、白シャツに赤エプロンにしたというチョイスはたいへんによろしいと思う。しかしいつ撮影したのかな。「チョコ開き」とかやってた夏にまとめてしておいたのであることを祈る。
 チョコレートのテンパリングについて先生のお手本をしっかり見て上達しようとしたり、チョコを食べた食感をけなげに言葉にしようとしたりするのを見て、ああこの人は自分で好んでやっていることだろうとお仕事でやっていることだろうと、何か課題を与えられたらとにかく一生懸命にやってしまう性質なのねえ、とあらためて思う。
 羽生くんと一緒にチョコレートをこねたいとか、羽生くんのこねたチョコレート食べたいとかも思わなくもないが、むしろ私がテンパリングされたい、と思った。お菓子作りに興味の欠片もない私は、今回テンパリングということを初めて知ったのだが、調べてみるとtemperとは「調節する、加減する」こと、チョコレートのテンパリングとは「溶かしたチョコレートを再び固める際に、そのままだと結晶が不安定なので口触りが悪くなるのを、温度調節をしながらこねることで結晶を安定化させてなめらかな口当たりになるようにする」ということのようである。四大陸直前ということでただでさえ不安定になっている上にこのチョコレート動画でさらにさらに不安定になった私の心を、テンパリングして安定したまろやかな状態にしてくれないか。

 まあ自分の心は自分でテンパリングするしかないわけで、羽生くんも今試合に向けて精神状態やらなにやらを一生懸命テンパリングしているのに違いないので、それに倣って私も状態をがんばって整えて四大陸に臨みたいと思う。
 そして羽生くんが四大陸選手権初制覇できますように、江陵までがんばって応援の念を飛ばすのだ。

*******

 羽生くんが公式練習後のニュースで江陵の会場がソチと同じ青基調と云っていた。たしかにソチの内装は青で、きれいな模様がついていた。羽生くんが五輪後、グランプリファイナルの時にお世話になったからと、福岡県と福岡市に、その青いソチの壁の布の一部を使って作った写真パネルを贈ってくれた。私は両方の写真を撮りに行った。2014年5月のことである。福岡県民でよかった、そのときのグランプリファイナルを現地で観ていてよかった、と思った。
DSCF0048.jpg
 ↑これは福岡市役所の方。
DSCF0058.jpg
 ↑これは福岡県庁の展示全体像(当時)。
DSCF0055.jpg
 ↑パネル部分。
DSCF0059 (2)
 ↑説明書き。
 しかし大きな国際試合が福岡であったのは今のところこのときだけだし、近年ショーもご無沙汰。また福岡に来てくれないかな。


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02.11
Sat
 『チーム・ブライアン300点伝説』の感想を書きたいと思いながらまだ二度目読み終わってなくてちょっと忙しくてなかなか感想をまとめる余裕がなかったりしているうちに、いろいろメディアでも羽生くんのことが出てきて、演技の最低ラインを上げたいと云ってるとか新聞で読んだり、ユアタイムで真・四回転時代だとか云ってるがじゃあ今までは偽・四回転時代だったのかそんなことはないだろう云ってみれば序・四回転時代だったのだろうかとか考えたり、なんかイングリッシュジャーナルとかいう雑誌に生声CDがついてくるとかネットで見かけたり、一方ボーヤン・ジンくんが四大陸におっそろしいジャンプ構成で挑んでくるらしいという話が聞こえてきたり、ああそういえばIce Jewelsまだ入手してないやとかなんかあわただしい。
 とりあえず今日は少し前に出た『FIGURE SKATING BEST SCENE Ⅲ』で思ったことをちょっと書く。写真もいろいろよかったし田口さんと能登さんの対談が面白かった。今季羽生くんのショートは撮りやすいけれどフリーは難しいとか。確かに、ショートは動き、ポーズを「刻んで」いる感じなのでポイントが絞りやすいかもだけれど、フリーは「流れて」いる感じなので「ここ」というタイミングがなかなか捉えにくいかもしれない。
 で、羽生くんにリアルに関わる人はいろいろうらやましいけれど、カメラマンさんもうらやましいなあと改めて思った。私も写真を撮るのは好きでコンパクトデジカメをわりといつも持ち歩いたりしているが、人物を撮るのは苦手なので滅多に撮らない。でも被写体が羽生くんだったらそれは楽しいだろうなあ。でも私だったらやっぱりきっと圧倒されてしまって緊張してうまくシャッター切れないだろうなあ。
 カメラマンさんはいろんな羽生くんを撮れて楽しそうだなあ、と思うのだけれど、特に演技中の羽生くんを撮る、というのはなんか狩猟民の血が騒ぐ、みたいなところがあるんじゃないかなあと今回の対談を読んで感じた。演技のどの瞬間を、どういうアングルから、どういうふうに狙いたい、といろいろ考えたりして、そして誰よりもいい写真を撮りたいと願う、その感覚は血湧き肉躍るようなものがあるんだろうなあ、と。撮った写真を確認するときも至福の時間だろうなあ。
 私に人物カメラマンとしての腕があって、体力気力もあるならば、羽生くん専属カメラマンになってあちこちついて歩きたいなあ、とか思ってしまったのであった。以前羽生くん専属ライターになりたいと書いたこともあるが、カメラマンも兼任で、羽生くんの取材関係一手に引き受けられたら楽しいだろうなあ。もちろん妄想で終わる話だが、妄想でも楽しい。


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02.07
Tue
 『チーム・ブライアン 300点伝説』について語りたいこともいろいろあるけれどとりあえず今日はマイレピサイトの会員限定インタヴューの方について語る。羽生くんの考える「強さ」についてがテーマ。
 羽生くんによると、環境の変化に適応できるのが強さ、ということのようだ。スケートの場合、試合本番は練習と同じ環境ということはない。氷の質や会場の雰囲気なども違うし、時差や移動の影響によってコンディションも異なる。でもそのように異なった環境の中でも力を出し切れるのが強さだと。試合で圧倒的にミスの少なかったプルシェンコ様がそういう点でやはり絶対王者だと。その点では自分はまだまだなのだと。
 なんだかその「強さ」認識があまりにも「正しい」気がして私は打ちのめされてしまった。というのも、私自身が(HSPであることもあって)環境だのなんだのの変化に超弱いからである。なじみのない環境、なじみのない出来事、なじみのない人、全部苦手である。子どもの頃からその自覚があり変わらない。無駄に緊張して疲れる。どうかすると体調を崩す。ちなみに、自分にとって楽しいことや嬉しいことでも非日常的なことにはやはり疲れやすいらしく、試合で羽生くんを初めて現地で観た福岡GPFの後も体調を崩した。何にしても、何か通常と違ったことがあるといちいち消耗してしまう自分、そのため引っ込み思案というか精神的には実質引きこもりになってしまう自分というのが恨めしく「いろんなことに適応できるっていうのが強さだよなあ」と長い年月つくづくしみじみ思ってきたのであった。
 だから羽生くんから「環境の変化に適応できるのが強さ」ってあらためて云われると、もうその正しさに打ちのめされるしかないのであった。ああ羽生くんも環境の変化に適応しようともがいているのね、と共感したいところでもあるが、あまりにレベルとか次元とか違うし。

 さて、羽生くんが「環境の変化に影響されやすい自分」を感じているのだとすると、そのことも羽生くんがHSPである可能性を示唆する要素ではあるかと思う。HSPの私として、環境の変化などで気持ちが高ぶってしまったりしている場合に、結構助けになる考え方だな、と思ったことがある。以前も記事で触れたエレイン・アーロン博士の本『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(SB文庫)にあった。ざっくり云うと「気持ちが高ぶってもその状況を好ましく思うようにする。そう思えなくても、そんな自分は好ましいと思うようにする」ということである。これは以前の記事「『羽生結弦 王者のメソッド 2008-2016』(文藝春秋)を読んで思ったことなど」や「羽生結弦選手のメソッドとカウンセリング」で触れた「そのときどきの状況とそれに伴う感情を認めて受け入れる」「そのときその場を大事にする」とったメソッドと重なるんじゃないかな、と思っている。多分これは、非常に応用範囲が広いというか、根本的なものを含むメソッドなんじゃないかな、と思っている。

 もちろん、マイレピのインタヴューに添えられた、ホテルの鏡の前とおぼしきところでの羽生くんの画像にもたっぷりと打ちのめされたが。以前「羽生結弦くんに似合う衣服とは」という記事でもし羽生くんの私服をコーディネートするならば「料理にたとえるなら素材の良さを生かして味付けはシンプルにというやつ」にしたいと書いたのだが、そういう路線で行ってくれて嬉しい。

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 小塚くんが何らかの形でフィギュアスケート界に戻ってくるらしいとか、田中くん日野くんユニバーシアードでそれぞれ自己ベストとか、あっこちゃん結婚おめでとう(なぜか親戚のおばちゃんぽく「あっこちゃんには幸せになってほしいわあ」と思う)とか、いろいろ嬉しいニュースがあるなあ、と思っていたら知子ちゃんが疲労骨折で四大陸とアジア大会欠場で「えっ」となったり。知子ちゃんは責任感強そうだし辛いだろうけれど、ぜひしっかり治して戻ってきてほしい。


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02.05
Sun
 先月の終わり頃の話だが、私用で熊本に行った。これは熊本駅。
IMG_3976.jpg

 これ以外にもくまモンはあちこちで見た。私にとってくまモンは今や「24時間テレビで羽生くんとコラボなさった方」だからな。
 これはちょっと遠くからズームした、熊本城の崩れた石垣。
IMG_3977.jpg

 テレビでは何度も観たけれど、実際に見るとやっぱりたいへんな力が働いたのだな、と感じる。
 中央区役所のビルの上階にのぼった(区役所はお休みの日だったが)が、被害補償金の受付窓口等の表示があって、まだなかなかいろいろたいへんなのだな、と感じる。幸い、私が今回お会いした熊本の知人の皆さんはお元気だったが。
 これは中央区役所のビルの上階からズームした、ライトアップされた熊本城。
IMG_3986.jpg

 この写真はあまりよく撮れていないが、城としてやっぱりかっこいいな熊本城、と思った。城好きの羽生くんもいつか見に来るといいな。
 自宅用のおみやげに買ったのは「山うにとうふ」。数年前に熊本に行ったときに買っておいしかったので。豆腐の味噌漬けだけれど、うにのようなコクと深みのある味で、ちょっとあればご飯がいける。お酒が好きな方ならお酒のお供にも絶好かと。ネットショップはこちら
 今回は熊本のあちこちをつぶさに見て回ったとか、震災の話をたくさん聞いたとかではなかったのだが、なるべくいい形で復興が早く進みますように、とあらためて思った。

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 『チーム・ブライアン 300点伝説』は昨日ひとまず一気読みした。面白かった!おいおいじっくり読み返して感想を書いてゆきたいと思っている。しかしなんか書きたいこといっぱいありそうだし、ここからしばらくややスケジュールが立て込み気味で、書き終わる前に四大陸が来てしまいそうな気もしないことはない……。


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02.01
Wed
 だいぶ前に成分解析って流行ったな、と思って、羽生結弦くんファン心理成分解析を作成してみた。あまり真面目なスケートネタは入ってないというか小ネタ系が多いけれども、まあお遊びとして暇つぶし、あるいは四大陸選手権に向けてどきどきする心をまぎらわすのにでもどうぞ。名前を入れるだけである。ちなみに成分の種類は100種類入れてある。

 「羽生結弦くんファン心理成分解析」はこちら

 たとえば私の本名でやってみるとこんな感じ。
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・(本名)さんのファン心理の38%ははたちの献血で出来ています
・(本名)さんのファン心理の30%はスイカにならないようにジョニーが工夫した新ロミジュリ衣装で出来ています
・(本名)さんのファン心理の25%は妄想デートを誘発してやまない「週末仙台」で出来ています
・(本名)さんのファン心理の7%は試合開始前の口パク熱唱で出来ています
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 献血したいけれどできない私の怨念が反映されているのか。

 ハンドルネーム「えのき」でやってみるとこうなる。
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・えのきさんのファン心理の60%は動く耳で出来ています
・えのきさんのファン心理の31%はプーさんのティッシュケースで出来ています
・えのきさんのファン心理の5%は「重村である」で出来ています
・えのきさんのファン心理の4%はホワイトレジェンドにこめられた祈りで出来ています
---------
 自分がそれほどまでに耳フェチだとは知らなかった。

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 『チーム・ブライアン 300点伝説』発売だけれど、注文したところからまだ入荷の連絡がない。早く読みたいなあ。
 

 
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