06.17
Sun
 羽生くんが天女と化したと噂のFantasy on Ice神戸、その二日目の公演が行われている頃、私は友人と待ち合わせのために博多駅にいた。駅構内には、プロ野球のセパ交流戦のために福岡に来たと思われるカープファンの姿がたくさん見受けられた。そういえば羽生くんのひいきのチームはカープだったな、などと思いながら、私はフィギュアスケートファンになってからずっと感じてきた悲哀を改めて噛みしめていた。
 野球やサッカーのファンの人がうらやましい。試合数がたくさんある。試合会場の収容人数が多い。チケットが安い。お目当ての選手がレギュラークラスであるならば試合に行けば結構長い時間姿を見ていられる。それに比べてフィギュアスケートはどうだ。試合数は年に数試合、日本開催という条件を加えるとさらに少なくなる、ショーを入れてもそんなにたくさんはない。会場の収容人員はどうしてもあまり多くはならない。チケットが高い。そのうえチケット争奪戦も厳しい。そしてチケットを手にしても、お目当ての選手を見ていられる時間ははっきり云って短い(もちろん、お目当ての選手以外の演技も楽しめるのだが、それはそれとして)。「コスパ」という観点で見るならば、野球やサッカーなどに比べてフィギュアスケートの条件の悪さはため息をつかざるを得ないレベルである。
 実際問題としてフィギュアスケートの試合数があんまり増えても選手のピーキング的に無理だろうし、収容人数の多い会場でやったところで後ろの方の席は選手が豆粒とか米粒とかになってしまうだけである。リンクを造るだけでも費用がかなりかかるだろうからチケット代もそう安くはしづらいだろう。そしてお目当ての選手をずっと見ていたいと思っても数分間の演技でものすごく疲れてしまう競技だから無理である。
 でも、だからこそ、その数分間の演技は貴重で、きらめくような記憶になるんだろうなとも思う。それがフィギュアスケートファンならではの歓びだとも云える。

 諸般の事情から、遠征しての現地観戦、観賞が難しくなってしまった私の今日この頃であるが、そういう、きらめくような記憶をまた新たに得たいという望みは持っている。来年は地元福岡で国別対抗戦があるので、どうかそれに羽生くんが出ますように、どうかチケットが獲れますようにと今から祈っているのであった。

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 Fantasy on Ice神戸公演のBS放送が今夜遅く。BS難民の私は天女羽生くんをやっぱりテレビ画面でちゃんと観たくて人に録画を依頼した。届くのが楽しみだ。


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04.09
Mon
 たいへん面白く興味深く読ませていただいた。
 それにしてもタイトルが秀逸だなあと思う。私がもし羽生くんのことをあまりよく知らない人に説明しろって云われたらどこを強調したいかっていうと「羽生くんはジャンプが跳べるってだけじゃなくて、その前に助走がないのが凄いんだよ!」だから。
 にしても著者のフィギュアスケート愛は凄い。ライトファン以上スケオタ未満くらいな私にとっては、著者の細かい分析はとても勉強になった。私は「羽生くんはジャンプなどの目立つところ以外でもさりげなく高度なスケート技術全般を駆使してる」ということを漠然と感覚的にわかっているだけなのだけれど、それをきちんと言葉にして書いてくださっている。だから私も、羽生くんのどこがどう凄いのか、ということがこれまでよりよくわかるようになったかなと思う。読みながら、羽生くんのこれまでの軌跡を改めて振り返ることが出来たのもよかった。
 羽生くんとチャン氏の比較もなるほどなあという感じだったし、フィギュアスケートの「表現力」「芸術性」についても興味深い記述がたくさん。特に私も過去記事で取り上げた「登場人物になるか、音楽になるか」ということも話題として取り上げられていて、それぞれが単独で存在するのではなく、選手ごと、プログラムごとにこの二つの比率があり、それが個性になるという考え方はとても納得できるものだった。
 この本はなんといっても羽生くんのことが一番たくさん取り上げられているけれども、それ以外にも、過去の選手たちも含めた多くのスケーターへの愛とリスペクトが溢れている。そして、フィギュアスケートという競技への愛とリスペクトも。
 スケオタレベル的なところでは著者に遠く及ばない私だが、私なりに、スケーターへの、そしてフィギュアスケートへの愛とリスペクトを見習わせていただきたいと思った次第だった。

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 Continues with Wingsのライヴヴューイングに行けることになった見込み(当落の正式発表は明日だが、カードが動いた)。場所は離れていても、少しは時空を共有できる感覚が味わえそうで嬉しい。


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03.25
Sun
 地上波放送分をざっくりと観たのみ。
 ええと、私はなぜか勝手に宇野くんは怪我しそうもないイメージを持っていた……が、やっぱり怪我ってあるんだな、と。で、その怪我を抱えた状態でよく頑張ったと思う。特にフリー後半にコンビネーションを三本きっちり入れたのは凄かった。銀メダルおめでとう。それにしても男子フリー最終グループは大自爆大会でびっくりした。その中でなんとか踏みとどまったのが宇野くんという印象。コリヤダくんもショートがよかった分三位でなんとかとどまった感じ。ただ、チェンくんだけが自爆なしで突き抜けたな、と。圧倒的な勝利だった。技術点もすごいが演技構成点も上がってきたなあ。
 そして友野くん!シニアデビュー年で代役という立場ながら自己ベストを大幅に更新する溌剌とした演技、すばらしかった。総合5位、フリーだけだと3位で、日本男子三枠獲得もおかげでできたし本当によかった。田中くんは……うーん、もうちょっとピシッと決める力が欲しいよなあ、と思ってしまうが大きくて華のある演技は今後歳を重ねるとますます味が出るかもと期待しよう。
 あと、私はやっぱりジー選手の演技が好きだ。それから、今回の世界選手権に限らず、ベテランのビシェンコ選手は今季何かとわりと印象に残っている。

 しかしなんだかんだ云ってもそれでも羽生くんは世界ランク一位を維持しているし、トータルスコアの上位三位までをまだ羽生くんが占めている。チェンくんがフリーで高難度を含む四回転を六本入れても、羽生くんが4回転はTとSのみで構成したスコアに及ばないということは、羽生くんの演技全体の質がいかに高いかをあらためて浮かびあがらせる形になったのではないかと思う。

 女子についてもちょっと。新葉ちゃん銀メダル知子ちゃん銅メダルのダブル表彰台おめでとう。新葉ちゃんはショートのミスからよく切り替えてフリーは素晴らしかった。知子ちゃん若干ミスはあったけれどやはり底堅いという感じ。優勝したオズモンド選手もここのところ前よりも手堅さが加わった印象がある。それにしてもザギトワちゃんがあそこまで崩れるとは。やはり金メダル後の世界選手権というのは調整などいろいろ難しいのだろうな。ベテランのコストナー選手も今回クリーンな演技とはいかなかったけれどさすがの存在感である。あと、ロシア女子はザギトワ、メドベージェワ両選手が話題になりがちだけれど私はソツコワちゃんの演技もわりと好きである。

 いろいろなことがあった今季。それぞれの選手が今季から得たそれぞれの糧を抱えて来季へ向かってゆく。大幅なルール改正もあるらしいし、どうなることか楽しみに見守りたい。


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11.05
Sun
 なんだかがっつり取り組みたいネタがいろいろある気がしているんだが、まだわりとばたばた気味なので雑感的なネタで。
 先頃、羽生くんが衣装にもこだわりを持って積極的にデザインや製作にかかわっていることが報じられた。まあ、スケートに関することにはとことんこだわりを持つ羽生くんらしいと云えばらしい話である。衣装の重さや構造、どういう生地を使うかなどは身体の動かしやすさといった機能面に決定的な影響を持つだろうし、またどういう見た目の衣装になるかは、そのプログラムの世界観をあらわすのに決定的な影響を持つ。羽生くんでなくても、他の多くの選手やプロスケーターは、こだわりの強さに程度の差はあるかもしれないが、それぞれに自分の衣装づくりに関与しているのだろうと思う。私が最近気になるのはザギトワちゃんの衣装の、バレリーナのようにスカートが広がった形はジャンプなどのときの空気抵抗にすごく影響しそうだがどうなんだろう、ということである。
 で、フィギュアスケートの衣装というと、前から気になっていたことがあって。それは「きっと着心地は悪いんだろうな……」ということである。まあフィギュアスケートの衣装は勝負服、戦闘服であり、一に機能、二に見た目であろう。着心地がどうたらと云っている場合ではないのである。
 子どもの頃などは、衣装のキラキラ感などに憧れて、単純に着てみたいと思っていたような気もする。しかし、あれらの衣装は、特に女子の場合、身体にぴったりつくようなデザインになっていることが多い。そして私は、普段の服装でもあまり身体に密着するような感触のものは苦手なのである。窮屈な感じがして。若い頃はまだしも細身のジーンズなどはいていた時期もあるが、もうここのところずっと、スキニージーンズなどはいくら流行ってもはけるかっ、という感じで過ごしている。そしてジーンズのデニム生地やウールニットなどならまだしも、私は身体に身体に沿うような、なおかつぬめっとしてそうな感触の生地が苦手だ。フィギュアスケートの衣装はわりとそういう生地でできていると思うのだ。少なくとも、感触がさわやかな天然系素材ということはあるまい。その着心地を想像しただけでなんだかぞわぞわしてしまう。そして私が何が苦手といって一番苦手なのがストッキングというやつだ。仕事ではカジュアルな格好でほぼ問題ないのをいいことに、もうここ何年も葬式以外ではストッキングははいていない始末である。以前、ある程度の頻度ではいていたときも、家に帰ったらとにかく脱がないとくつろげない人であった(タイツはストッキングほど感触がぬめっとしていないのでまだましだし、ある程度以上寒い季節の外出時にはむしろ必須。ただしそれでも身体にぴったりつく感触なので、家に帰ったら脱がないとくつろげない)。そんな私は、あの肌襦袢というやつを見て、その感触を想像するとすごくぞわぞわするのである。いや、肌襦袢とストッキングの生地は違うものであることは知っているが、しかし見た目がなんだか似ているではないか。少なくともさわやかな肌触りということは絶対になさそうである。
 だから、選手の衣装を見るときには「着心地を想像する」ということはできるだけシャットアウトするようにしている。のだが、時に、羽生くんが演技後滝汗を流しているのなんか見ると「ああ、私が羽生くんだったら一刻も早く試合後のインタヴューだのなんだの済ませて更衣室に駆け込んで衣装を脱ぎたいっっっ、って絶対思ってる」などと考えてしまうのであった。

 ところで、上記の羽生くんの衣装製作についての記事では主としてSEIMEIの話題が取り上げてあった。SEIMEIはキャラクターがはっきりしているので、世界観をあらわすにはどういう衣装にするか、といったこだわりがわりと捉えやすい題材だと思うのだが、私はThe Final Time Traveller水色姫の衣装のときに羽生くんと担当さんのあいだでいったいどいうやりとりが交わされたのか真剣に知りたい。あの曲は繊細優美な雰囲気の衣装になることは納得がゆくが、あそこまでフェミニンな雰囲気になったのはどういう経緯なのだろうか。
 しかし羽生くんの衣装製作担当というのも大変そうだがやりがいがあって楽しそう、と今回改めて思った。裁縫などの腕は全然ダメなので(刺繍だけはわりと好き)現実問題としては絶対に無理なのだが。
 そういえば以前は羽生くんの衣装はお母様が製作されていたのだったかと。二人でああだこうだ云いながら仕上げていったのかなあ。その様子もちょっと知りたい。

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 それにしても、中国杯を終わって(やはりまだ映像はちゃんと観てない)、いわゆるトップ6で固いのではと思われていた男子シングルグランプリファイナルのメンツが、チャン氏のNHK杯欠場とフェルナンデスくんの中国杯6位で本当に混沌としてきた。今のところ代わりに入ってくる可能性が高そうなのはコリヤダくんとブラウンくんだろうか。

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 とかなんとか云っているうちにもうグランプリシリーズの次戦はNHK杯。羽生くんがよい練習を積めていて、思い描く演技ができますように。先日急遽手術を受けたらしいオーサー氏は帯同できるのだろうか。おだいじに。


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10.05
Thu
 アイスダンスの村元リード組が五輪枠を獲得したのはめでたい。ただ、それで日本が団体戦の出場権をほぼ確定したというのはめでたい……のか?
 いや、もちろん、日本のフィギュア陣がそれだけの実力があるのだよ、という意味ではめでたい。しかしソチ五輪の時から、どうしても団体戦というものの存在と、そのスケジュールについてはすっきりしない気持ちが消えないのだ。
 団体戦には個人戦にはない種類の面白さがあるというのは確かだ。それから、団体戦というものがあることについて、選手たち本人は本音のところではよいと思っているのか悪いと思っているのか知らない。ただ、いちフィギュアスケートファンとしてどうしても「なんだかなあ」と思ってしまうところがあるのである。
 ソチ五輪の時に一番引っかかったのは団体戦が個人戦より先にあることである。そして残念ながら平昌でもそれは変わりないようだ。フィギュアスケートみたいにピーキングがデリケートな競技で、短い間に団体戦と個人戦を連続して戦う選手がいる一方で、個人戦にだけ焦点を当てればいい選手がいる、というのはなんだか不公平な気がする。
 もっとも、団体戦に出ることの影響がすべてマイナスとも限らない。たとえば、ソチで羽生くんは団体戦ショートに出たことで、個人戦のショートプログラムはひょっとしたら「慣れ」のアドバンテージがあったかもしれない。とはいえ、フリーが不本意な出来だったのは団体戦からの連戦での「疲れ」もあった可能性も否定できない気がする。
 なんにしても、団体戦の影響がメリットであれデメリットであれ、それがある選手とない選手がいるというのは、個人戦にとって不公平だという感じがぬぐえない。四種目の、ある程度以上実力のある選手をそろえられる国が限られることから考えても、フィギュアスケートのメインはやはり個人戦だと思うので。
 団体戦をやるならば、せめて個人戦より後ろに持ってきたらいいのにと思う。そして、団体戦にエントリーする選手は試合の直前発表にすればいいのではと思うのだ。一応、各チーム内では誰がショートで誰がフリーという決定は事前にしておく必要はあると思うが、個人戦の成績やその時の疲れ具合などによっては起用する選手を替える余地を残しておく。そうすると「ここの国は誰を出してくるだろう」みたいなわくわくも直前まで楽しめていいんじゃないかと思うのだが。選手も「個人戦の勢いを活かしてそのまま行くぞ」とか「個人戦の雪辱をはらすぞ」とかのモチベーションが作りやすい気がするし。
 そもそも、個人競技色の強いフィギュアスケートで、それらを組み合わせて団体戦をやることに正直なところあんまり意義を感じない。五輪だけでなく、国別対抗戦も、観られる試合の数が増えるという意味ではありがたい面もあるし個人戦と違ったタイプの盛り上がりという楽しみもあるし実際私も観に行ったけれど、競技としての存在意義という点に関して云えば、うーん、なのである。五輪のように個人戦と立て続けではないものの、シーズンの山を越えて疲れ切っただろう時期にくるものでもあるし。
 というか、団体戦というなら、文字通り団体で、シンクロナイズドスケーティング的なもので戦ったらどうだろうか。そういう競技がもっとメジャーになれば、スケート界自体の層も厚くなりそうな気がするし。個人戦には向かないけれど、他の人とアンサンブルで滑るのはわりと得意、というようなタイプの選手だっていそうな気がするし。

 ま、団体戦、あるならあるでそれなりに応援もするし楽しんで観戦もすると思うけれど、それはそれとして個人的に思っていることを書いてみた次第。

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 先週末の王様のブランチで、結婚したいアスリートアンケートの一位が羽生くんということだったようだが、その類のアンケート結果を聞くたび思う。羽生くんと結婚してもおかしくない年齢でファンになって目をきらきらさせて「羽生くんと結婚したい」とか純粋に思ってみたかった。今の私は残念ながら「羽生くん大好きだけれど仮に年齢とかが釣り合うとしても結婚したいかっていうとちょっとな……いろいろな意味で面倒くさそうだから」という純粋さのない奴になりさがってしまっているのだった。


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